KEN G in Toronto in July 2006


4度目のトロントです。あるお店のマスターが「行ってらっしゃいもう勝手知ったるトロント第二の故郷になりましたね」なんていうメールを出発前に送ってくれました。ろくに英語もできないのに確かにそんな感覚になってきています。慣れた頃気がゆるんで、何かやらかしそうなので、気を締めて発ったのでした。トロントに行っても誰も相手してくれなかった、誰も連絡取れなかった、なんていう最悪の状況を一応想定しつつ。
今回のメインイベントは二つ。僕がトロントに行くきっかけを作ってくれた畑山さんが企画のイベントCANADA-JAPAN JAZZ EXCHAGE第2回目に参加することと、また新しいCDのレコーディングです。SAN MURATAさん(今回からSANちゃんと呼ばせていただきます)のお陰で、その他の日も毎日色んな方とギグ。今回もめまぐるしく忙しく楽しい約11日間でした。

7/4 トロントに到着。さっそくSANちゃんに電話すると無事繋がりました。すぐにダウンタウンに出てきてくれて一緒に飯を食ったあと、東京で言えば新宿ピットインの様なトロントのジャズのメッカのお店"REX"のジャムセッションに顔を出し、早速セッションすることに。さすがSANちゃんここでも知り合いがいっぱいで何人も紹介してくれるが、すでに頭がパンク状態(^^;

7/5 前回SANちゃんが日本に来ていたときに僕の車の中で聴かせたHouston Person & Ron CarterのCDが気に入っていただいたようで、「この感じでKENちゃんのオリジナルを中心にBassとデュオでまた録音しないか?Gary Binstedとが良いんじゃないかな?」と提案を受け今回早速レコーディングをすることに。Garyさんとは初めてSANちゃんと会ってギグをやったときに共演したベーシストです。Garyさんが共演したミュージシャンはSonny rollins, Hank Jones, Sonny Stitt, Tal Farlow, Mel Torme, Herb Ellis, Lenny Breauなど挙げればきりがありません。この日はそのレコーディングの一日目。多少の意図の行き違いはありましたが、数曲レコーディングすることが出来ました。僕のプレイはともかくGaryさんのプレイは本当に最高!それなのに全然偉ぶらない素晴らしい方です。残りは9日に録る予定。

7/6 トロントに来たときはいつも演奏させていただいているWARE HOUSEでの演奏。4月に一緒に演奏させてもらったポーランドの英雄ギタリストRichard Stylaと、アルバムLast Winterに参加していただいている同じくポーランド出身のベーシストJack Zorawskiさんとのギグです。Richard Stylaさんは4月に共演した後心臓発作で倒れたと聞いていたので心配していたのですが、かなり特別な手術が成功し元気な姿を見せてくれました。見た目もプレイも以前と変わらず、また共演できて本当に嬉しかったです。

7/7 この日はアルバムTenderlyで共演させていただいたNorman AmadioさんとSANちゃんの家の本当に近くのレストランで共演。Normanさんもまた本当に仏様のような心を持った方で、また共演することができ本当に感謝です。カナダではオスカー・ピーターソンと同じくらい尊敬されている超大御所なのに全く偉ぶらない。頭が下がります。しかも元気!この日もPort hopeに来る前に二本も仕事してきたそうです。78歳なのに信じられません。ベビーパウダーを手にまぶす姿が可愛いです。鍵盤にもふりかけてました!

7/8 いよいよ畑山さん主宰のCANADA-JAPAN JAZZ EXCHAGE。日本からはAkiko Grace、 安ヵ川大樹、そして僕KEN Gと僕の親友トランペッター堀尾茂雅が参加し、カナダからはRicherd Whiteman, Roy Patterson, Norman Amadioが参加。昼の部、夜の部があり、ソロ、デュオ、トリオ、セッションなど様々な組み合わせで非常に長時間に及ぶてんこ盛りなステージでした。畑山さんはじめスタッフの方、ミュージシャンの方々、お疲れさまでした!

7/9 レコーディング二日目です。この日は快調に残りの曲を録り、Garyさんちの立派な庭でナッツをつまみにビールなどもいただきました。あ、5日もいただいたか。。あとはGaryさんにミックスをお願いするだけです。出来は分かりませんが、取りあえずホッとしました。

7/10 もう三度目になる日本食レストラン「一力」での演奏です。レコーディングでもお世話になりっぱなしのGaryと、これまた70過ぎの超大御所ピアニストIan Barghさんとの共演。いやぁ、最高のステージでした。Ianさんは人間もプレイも未だにやんちゃ坊主って感じですが、プレイは無茶苦茶スイングするし、オフステージではブラックジョークでみんなを和ませてくれるし、大人しいジェントルなGaryさんと名コンビで非常に楽しかったです。またこの組み合わせでも是非演奏したいです。

7/11 またもやSANちゃんちの近くのお店でのギグ。といっても7日のお店とは別で"ZEST"というお店。8日のJAZZ EXCHAGEでも共演させていただいた素晴らしいピアニストRicherd WhitemanさんとそのレギュラーベーシストBrandi Disterheftさんとの共演。Richerd Whitemanさんは寺島靖国さんの世界のトップ500ジャズピアニストにも選ばれ、間もなく日本のレーベルからもCDがリリースされることになると思います。洗練されたサウンドを持つ素晴らしいピアニスト。Brandiさんはまだ20代前半のキュートな女性ベーシスト。その風貌とは裏腹の野太いサウンドとビートを持つ実力派。この日も非常に楽しいステージとなりました。このお店ではギグをやるのは初めてだったそうですが、大成功。

7/12 Whitbyというトロントとポートホープの中間くらいにある町のフレンチレストランNice-Bistroでのギグ。アルバムLast Winterに参加していただき、5月にSANちゃんと一緒に日本ツアーもしたDan ionescuさんと、Garyというメンバーです。ここのマスター・ママさんがフレンドリーでファンキーで最高にいい人なんです。僕はこちらでは2回目の演奏でしたが、暖かく迎えていただき、美味しいご飯も出してもらって、楽しいギグをして、またもや楽しい一日でした。

7/13 先週につつき毎週木曜にやっているWARE HOUSEでのギグ。今回は若手ですが素晴らしいセンスを持ったギタリストNathanとJackとの組み合わせです。Nathanは若いのにすでに学校でジャズを教えているそうです。しかも人間もプレイも嫌味のないナイスガイ。天気の良い日に半分アウトドアでの演奏って感じで音楽・ロケーション共に非常に気持ちイイ日でした。

今回も本当にSANちゃんにはお世話になりっぱなしで、お陰様で素晴らしいミュージシャンの方々とギグやレコーディングすることが出来ました。また新しく沢山の方を紹介していただきました。僕にはもったいないことです。しかしSANちゃんと最後に向こうで飯を食いながら話したとき、「KENちゃんとやると今まで全部成功しているし、とにかく楽しいね。これからも色んなこと一緒にやっていこう!」と有り難い言葉をいただいたのでした。SANちゃんは本当に凄いエネルギーの持ち主でついて行くのは大変ですが、これからも僕の出来ることは可能な限りやらせていただく所存です。とんでもない展開が待ち受けているかもしれません。請うご期待!


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