KEN G in Toronto in May to August 2007


6回目のトロント、しかも今回は3ヵ月弱85日間の滞在です。
もう正気の沙汰ではありません!
ヴァイオリニストであり画家のサン・ムラタさんに「今度は三ヶ月くらい来てみないかい?けんちゃん!」と言われ、言われるがままに3ヵ月行くことにしてしまいました。
向こうについて毎日のように携帯で日記をつけていたのですが、7月3日に、その携帯やパスポート、クレジットカード、財布、現金、など重要なものをすべて入れていたバッグを盗まれてしまい、もちろん携帯に書いていた日記も無くなりました。それ以降も色々大変だったのもあって日記を書くのをやめてしまいました。
ということでうろ覚えのトロント滞在日記、簡単にですが思い出しながら書いてみます。
あとは、7月半ばから使い捨てカメラで撮りだめたフォトアルバムを見て雰囲気を感じていただければと思います。
toronto 2007 photo album
toronto 2007 slideshow

5/16(水)福岡を出発。今回は福岡空港→関西空港→デトロイト空港→トロント空港の行程。
国際線はノースウェスト航空だったのですが、今回は乗り継ぎの時間が非常によく、前回のようないきなりの予定便のキャンセルも無く、順調にトロントに着いたのでした。
しかし入国審査は本当に厳しかった。
3ヵ月滞在ということもあって根掘り葉掘り聞かれ、しまいには滞在先のロッドさんに電話まで入れて確認していた。
やっとトロント空港から外に出ると雨。前回と違うターミナルに着いたためTTC(トロント市内交通機関)を見つけるのに苦労する。
テナーとデカいスーツケース2個を引きずりながら、人に聞きやっとバス乗り場に到着。
バス乗り場の屋根のある場所は、人が溢れていて入れない。
濡れながらバスを待つが、これがなかなか来ない。
やっとバスに乗り込むが、荷物が多いし人も多いし湿気も多いし。。
地下鉄のキプリング駅に到着し、地下鉄に乗り換える。
ここでも人が多かった。。
空港から一時間半程度だったろうか、ロッドさんちの最寄り駅ウッドバインまでやっと到着しロッドさんに電話を入れ迎えに来てもらう。
ロッドさんの顔が見えたとき本当にホッとした。
二月にも何度かお邪魔したロッド邸にやっと到着。
ロッドさんと無事到着した乾杯をしてその日は就寝したと思う。
前回2月の日記にも書いたと思いますが、ロッドさんは本当に良い方で、今回3ヵ月間基本的に滞在させてくれ、ミュージシャンも沢山紹介してくれ、困ったときには本当に親身になって助けてくれ、本当に頭が下がりっぱなしでした。
基本的には日頃は救急救命士のような仕事をされていて、ジャズドラマーであり、彫刻家であり、日本語もべらべらで、機械体操や空手、柔道のようなスポーツも黒帯級、しまいにはジャグリングもやる、まさにスーパーマンのような人です。
50歳過ぎで独り者。ジャズという共通点も勿論ですが、日本・日本人に大変理解があるということで仲良くしていただき、空き部屋をひとつ貸していただくことになったのでした。

ついて早々、翌日から恒例のWARE HOUSE GRILLでのランチタイム演奏。
早速サン・ムラタさんに再会!
ダンとジャック、いつもの顔ぶれに嬉しくなる。
サンちゃんとは週に二、三回ダウンタウンやポートホープで一緒に演奏し、あとは殆ど自分ひとりで知り合いのバンドや知り合いじゃないバンドも色々聴いて回り、可能なときはシットインさせてもらった。
時々はロッドさんと近所や友達のホームパーティに連れて行ってもらったり、ロッドの彼女のラディカさんや向かいのミシェルさんと一緒に飲んだりして彼女らとも仲良くさせてもらい、基本的には非常に楽しい日々でした。

辛かったことも色々あったかな。日本を発つまで色々忙しかったので、その疲れと旅の疲れが出て、あと5月半ばにしては予想以上に寒かったのもあって、トロントに到着してしばらくしてから大風邪を引き、時差ぼけと一緒になって一週間くらいかなり辛かった。
一ヶ月くらい経った頃には、何故か右足親指付け根の関節が腫れ上がり、これまた一週間くらいまともに歩くことが出来なかった。
僕の勘では通風ではなかったと思います。
ロッドがアイスパッドを沢山くれたり、ラディカが痛み止めなど薬を買ってきてくれたり、向かいのミシェルが薬草を煎じて貼ったらいいと持ってきてくれたり、そうこうするうちに多分色んなことが効いて、すっと腫れが引いていきました。
原因は多分サックス担いで本当にあちこち毎日長時間歩き回ったので、関節が悲鳴を上げたんだと思います。
保険もかけて行ってなかったし、一時はどうなるかと思った。。

6月始めにはアートオブジャズというジャズフェスがあり、カーラ・ブレイとスティーブ・スワロウのビッグバンドや、リー・コニッツ、ジョー・ラバーバラ、ドントンプソンのトリオ、ジョージ・ガゾーンがゲストで入ったバンドなどを無料で聴くことができた。
中でもリーコニッツのトリオは感動しました。
久々に本当に感動しました。これだと思った。
そういうジャズのイベントやお店に行くと一人で行っても必ず何人かミュージシャンの知り合いがいて、下手な英語で何とか喋ったりして、嬉しいことのひとつでした。
たまにはセッションで演奏していたら知らないミュージシャンが「今度うちでセッションしないか?」って声かけてきてくれて、メールで連絡取り合ってハウスセッションしたり、ということもありました。

7月半ばには列車で単身ニューヨークを往復しました。NYに4泊。
色々聴きましたが、トム・ハレルが最高でした。
これも久々に感動した。
今回カナダ・トロントからNYに行って思いましたが、当たり前のことですが、やはりアメリカとカナダは全く違う国だと実感しました。
どっちもそれぞれ良いところと悪いところがあるとは思いますが。
とにかく一人で片道12〜13時間の列車の旅。
いい思い出になりました。

日本に帰る前日サンちゃんとモントリオールにも行きました。
なんと日帰りで!
しかしトロントは全く違う雰囲気、道路標識もお店の看板も全部フランス語。
行ってよかったと思います。
ありがとう、サンちゃん!
次回はもっとゆっくり何日間か行きたいと思います。

そしてサンちゃんとは本当に色んなお店でイベントで色んなミュージシャンと共演させていただきました。
この人なしには僕のトロントは有り得ません。
とにかくただ一緒にいるだけで楽しい。演奏したらもっと楽しい。
この人のヒトをひきつける力は凄いものがあります。
とにかくこんな人と出会えて、親しくさせていただいて僕にとっては夢のような話です。

一ヶ月経ったあたりから、日本食レストラン「さかわや」で毎週木曜サンちゃんと一緒にセッションさせていただきました。
ここの大将はニューヨークのオーケストラで5年くらいオーボエを吹いていたという、クラシックで凄い人なのですが、今は何故かトロントですし屋の大将をやっている。
ジャズにも理解があって、毎週木曜のセッションも快諾していただき、毎週色んな方が参加して演奏も楽しかったし、何よりコウキさん(大将)、そしてさかわやでよく演奏している若手ギタリスト・コウジくんと親しくなれて本当に嬉しかった。
将来的にサンちゃんとコウキさんとカナダに留まらずヨーロッパやアジアで何か楽しいことが出来るかもしれません。
夢は膨らみます。

3ヵ月とにかく色々あってまだまだ書ききれないし、思い出しきれません。
楽しいこと、辛いこと、すべてが僕にとって良い経験でした。

また思い出したら順不同で書き足していきます。

そういえば、肝心のダウンタウンジャズフェスのことを 書くのを忘れていました。
6月末の10日間、マトリックスの撮影でも使われたという市庁舎の横の公園に特設メインステージが二つ組まれ、その他にもダウンタウンのあちこちのお店、街頭のステージなどで、昼間から夜中まで一日に何十ものバンドが演奏するフェスティバル。
出演ミュージシャンはデイブ・ブルーベック、ハービー・ハンコック、ホリー・コール、クリスボッティ、ロイ・ハーグローブ、ジョシュア・レッドマン、ジョン・スコフィールド、ジャック・デジョネット、、キース・ジャレットなどの超大物から、ヨーロッパからのバンド、南米からのバンド、地元のベテランから若手までビッグバンドからコンボまで、本当に多彩な顔ぶれ。
僕は昼間から無料のメインステージの演奏を二、三本見た後に、夜はジャズクラブの演奏を少し聴いて、またメインステージで大物のステージを聴き、シメにその期間中毎晩朝までジャムセッションやってるので、それに参加し吹きまくるというマサニ音楽漬けの10日間でした。
そして、一日はサン・ムラタさんとドミニオン・オン・クイーンというお店で、ジャズフェスの一環のライブにゲスト出演させていただきました。
パンフレットにも一応載っています。
アルバムも一緒に作った超ベテランピアニスト、ノーマン・アマディオさん、ベースはやはりベテランのトロントジャズミュージシャン協会会長でもあるローズマリー・ギャロウェイ。
特にノーマンさんはオスカー・ピーターソン級に尊敬されているプレイも人間的にも素晴らしい方です。
たくさんのお客さんにもお越しいただき、大成功!
客さんは勿論、サン・ムラタさんはじめ共演者の方々、オーナーのショーンさんはじめスタッフの方々、本当にありがとう御座いました。
という感じで今回3ヵ月滞在のうちの一番のメインイベントは大成功に終わったのでした。

また思い出したら追加しますね。



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